MOLAM 1.5

アジアのカルチャーに魅せられ、タイ音楽を掘り学ぶInstagramアカウント「@phinkhaendelic」を運営するPhin Khaen Delic (PKD)が、タイ音楽の中でもモーラムに焦点を当ててお届け。

タイ北部、ペッチャブーン県カオコー。
現在は「タイのスイス」とも呼ばれる避暑地として、また近年注目を浴びている映え寺「ワット・プラタート・パーソン・ゲーオ」を擁するエリアだ。
しかし、1980年代までは共産ゲリラ掃討の前線基地としての役割を果たし、多くの人命が失われた土地でもある。

このMIXは「カオコーの偉業」と題された「ラム」から幕をあける。
土地や人名、時事ネタを歌詞に大いに盛り込む「モーラム」、そして「ルークトゥン」というジャンルは、タイ社会史を綴った記録とも呼べる側面も持つ、ということを是非知っていただきたい。

モーラムに特化したコンピレーションとしてSublime Frequenciesがリリースした「Molam」、「Molam Vol.2」があり、本MIXはその中間に位置する、という意味合いを込めて制作した。

「プータイ」、「タンワーイ」、「ラム・プルーン」といった定番の型を中心にしつつも70～80年代というモーラムが最もパッタナー（発展）していた頃のレコードを中心に収録。
「ラム・シン」の初期型と思わしき音源も収めた。

ちょうどLPを1枚聴くようなタイムライン構成とし、最後の2曲はモーラムLPでもありがちなルークトゥン2曲を収めて〆ている。

もはやタイともいえるこの日本の猛暑、是非ビールにサイナムケンして（氷をいれて）聴いてみて欲しい。

チョンゲ～オ！